レポートに関しては、多少まじめに計算しないと大変そうなネタを提供します。
Q2
A2:
に対して、
を計算せよ。
A1:
ここで、
であり、30度回転+30度回転=60度回転という、回転の連続が行列の積になることが示されている。
論じられること1:
三角関数の加法定理を前提にするなら、「回転の合成は、角度の和の回転になる」
論じられること2:
加法定理は当たり前のように使う定理ですけど、三角関数の幾何学的性質から導かれたものです。
回転の合成は角度の和になることを前提にするなら、三角関数の加法定理は
で得られることがわかる。
以上のように、3次元では異なる軸回りの回転の順序を変えると、一般には結果が異なります(角度が微少な場合は無視しうる、などの場合あり)。
同じ軸回りなら、上述のように合成できます。
Q:
A:
A:
解答をみて気づいたこと:
Q:
A:解答例
経験上は、無負荷回転の場合は倍の電圧で倍の回転にはならないように思われます。
ちなみに、マブチモータを電池で回す場合は、電池を1本から2本直列にしても倍にならないとおもいますが、これは電池の内部抵抗という要因もあってさらに複雑です。
蛇足ですが、モータには回していい上限の回転速度があります。それ以上はベアリングが痛んだり、遠心力で中の回転子が膨張して破損の原因につながったりするため、厳守です。
モータの限界性能を引き出すために十分強力な電源と電流制御をした場合、どんどん加速させることができるため、速度の上限を監視するものをつける必要があります。
一方、ぬるい回路でぬるい電源を使った場合、とくに電源の電圧が最高回転×逆起電力定数未満なら、この心配はいらなくなります。
対向2輪ロボットの左右の車輪が以下の周速でまわるとき、回転半径と旋回角速度を求めよ。
ただし、車輪間2d=200mmとする。
No VR VL ρ ω V 1 300 100 2 600 200 3 500 300 4 200 -200 5 150 -50
No VR VL ρ=V/ω ω=(VR-VL)/2d V=(VR+VL)/2 1 300 100 200/1=200 (300-100)/200=1 (300+100)/2=200 2 600 200 400/2=200 (600-200)/200=2 (600+200)/2=400 3 500 300 400/1=400 (500-300)/200=1 (500+300)/2=400 4 200 -200 0/2=0 (200-(-200))/200=2 (200+(-200))/2=0 5 150 -50 50/1=50 (150-(-50))/200=1 (150+(-50)/2=50
解説:
車輪直径 2r=100mm、車輪間隔 2d=200mm の対向2輪型ロボットにおいて、一定角速度で右車輪が3π、左車輪がπ前進方向に回転した。
ロボットの移動軌跡を図示せよ。
よって、ロボットは半径200mmでπ/2旋回する。これを適宜図示すればよい。
多くの学生さんは上記計算が出来ていますが、そのあとの図示がちゃんとできていません。
ロボットに限らず、機械分野では計算結果や設計結果を正しく思い浮かべることが重要です。
今回の結果を図式化するにあたって考慮すべき点は
の2点です。
皆さんの書いた図で多かった例は、90度は出来ていても、半径と車輪間隔の関係がいい加減というものでした。
また、旋回を扇形で示し、その角度が30度もないのに、そこにπ/2と記載するケースもそこそこありました。
車輪移動ロボットの場合、どの辺りを中心に回るかで障害物に当る当らないなどの影響が出るため、きっちりイメージすることが望まれます。
DCサーボモータに5Vを与えて回したときと比較して、10Vを与えると回転数はどうなるか、考えうる理由をつけて述べよ。
条件によって一概には言えない。
モータにある電圧を与えて回転させた場合、その平衡条件は
与えた電圧=逆起電力+必要なトルクに匹敵する電流×モータの抵抗
である。摩擦まで含めて、完全に無負荷であると仮定すると、与えた電圧=逆起電力であって、逆起電力と回転数(回転角速度)は比例するため、電圧2倍で回転数も2倍であると考えられる。
しかし、摩擦まで含めてトルクが変わらないということは実際にはあり得ず、何らかのトルクが必要である。
回転数の変化に対応してトルクがいっさい変わらない、という場合を想定すると、上式の後半が定数となるため、電圧を2倍にすると回転数は2倍以上になると考えられる。
一般には、摩擦には速度や速度の2乗に比例する項が含まれる。
上の考えからすると、速度に比例する成分(潤滑面など)は逆起電力と似た性質を示すため、電圧に比例した速度が得られそうであり、2乗に比例した成分(空気抵抗など)は速度が上がるにつれて急速に増えるため、電圧比ほど速度が得られないことになる。
いずれにせよ、DCサーボモータに狙った運動をさせるには、フィードバックが必要で、上記のような状況による挙動の違いを考慮すると、電流を制御できるような回路(具体的には電流検出+フィードバック→電圧操作)をつかう必要があります。
逆に、電圧のみで操作する場合、モータに流していい電流の上限が問題になることがあります。
上限を越えるとモータの磁石がバカになって(減磁)、性能が落ちることがあります。
電流制御の場合はそれも含めて制御できますが、電圧のみの場合は、止まったモータにいきなり大電圧をかけるとドバっと電流が流れて減磁の可能性があります。これも電流があまり流せないぬるい電源装置だとOKです。
結論:モータを制御する回路をつくったときは、まずはぬるい電源(もしくはパワーセーブできる電源)をつかって試すべし。
A:
検算例:
(φ,θ,ψ)の求め方:
3行:
1行:
2行・3行:
ただし、cosθ=0となる場合はsinθ=±1であり、たとえばsinθ=1の場合
によってθを得る。
によってψを得る。
によってφを得る。
となり、φ−ψが得られる(逆にsinθ=−1の場合はφ+ψ)。
そのため、いずれか一方は適宜決める必要がある(0などでかまわない)。
Q2:
同じく、
を掛け合わせることで、土台の座標系0からみた手先3の座標系の同次変換
が得られることを確認せよ。
A1:
計算してなればよいです。
A2:
最初の計算で、左上の3×3は単なる回転行列なので、積の左上3×3はθ1+θ2の回転になります。
あとは間違わないように計算するだけです。