電力を扱う回路の基礎
電気をエネルギーとして扱うときは、「電力」に留意した取り扱いが必要になります。
ここでは基礎として、電力の計算や、放熱などの問題を考えるために必要な損失、効率を話題にします。
到達目標:
- 電力の計算をすることができる。
- 効率の計算をすることができる。
- 効率の高さの重要性について説明できる。
モータの駆動回路など、電力を扱うところには、ダイオードやトランジスタといった半導体部品を使います。
アナログ回路で使ったオペアンプ(IC:集積回路)もこれらによる回路を小さくした半導体部品ですが、パワー系回路ではこれらの部品を意識して使うことが増えます。
そこで、今回は半導体のごく基礎的な知識と、ダイオードについて扱い、ダイオードを含む回路の簡単な計算ができるようにします。
到達目標:
- 半導体のn型とp型を説明できる。
- ダイオードを説明できる。
- 発光ダイオードの電流制限抵抗を計算できる。
モータの電力制御などを行う際には、主に大電流に耐える増幅素子を使う必要があります。
今回はその最終段で用いるトランジスタの簡単な特徴と特性を扱います。
※トランジスタはセンサ信号用なども様々に使われ、オペアンプの中にも多数使われています。
※メカトロ分野では、信号増幅などは主にオペアンプを使い、生のトランジスタを使うことが少ないことから、電力増幅用、スイッチング用の部品としてのトランジスタとして扱います。
到達目標:
- バイポーラトランジスタの電流増幅作用の基本式を説明できる。
- MOSFETの特性(スイッチング用)を説明できる。
- 両者の回路例を示せる。
今回は主にモータなどの電磁アクチュエータを駆動するための回路を扱います。
電磁アクチュエータはコイルとしての性質が有ることが注意点で、これを念頭にスイッチングによる出力操作、Hブリッジによる極性操作を行います。
今回の内容は幾分、本科目の想定レベルよりは詳細に踏み込みますが、駆動回路を設計すること目的とするのではなく、駆動回路の内容を丹念に読むことで、電力系回路特有の特徴を掴み、制御回路などを活用する際やマニュアル等の構成図を見る時の基礎知識とすることを目的としています。
到達目標:
- 半導体によるスイッチング回路について説明できる。
- 電力損失に注意を払える。
- スイッチング回路の動作を読み取れる。