ロボット開発工学研究室は、
ロボットをつくる
をメインテーマとして、おもに2面の研究開発テーマをもっています。
一つは「ロボットを開発するための研究開発」です。
ロボットを作るには、アイデアのみならず、構築に必要な実装技術が必要です。
一般にロボットを開発という場合は、既存の技術をベースとして構築していき、足りない技術があれば開発して補う、という経過をたどります。
その意味で、ロボットをつくるという過程は、新技術の開発を含みます。
また、ロボットを作るには、雑学といっていますが、幅広い知識が必要です。
機械工作、電子回路、コンピュータ、すべてをハイレベルにカバーすることで性能のあるロボットを作ることができると考えられます。
その一方で、それら知識・経験は「根っからの技術好き」か、境遇として「やらなきゃない」状況でもなければ、即席には身に付きません。一方で、ロボットを作りたいという要望が社会に多いのも確かで、だったら技術を実例で公表し、パッケージ化すれば何かの役にたつのでは?という発想に至ります。
かくして、「ロボットを開発するための研究開発」があります。
もう一つは「ロボットを実践的に開発する」です。
どちらかというと、教育的側面、趣味的側面ですが、第一線の研究にはこだわらず、二番煎じでもいいから、ちゃんと動くロボットを作ろうよ、という系統です。
車輪のロボットも歩くロボットも世の中にはありふれていますが、いざ作るとなると、それなりの技術が必要で、さらに作ることで、写真や論文には現れない、ものとしての本質が見えてきます。
逆に、そこで見えた弱点やヤマ場を分析することこそ、先の「ロボットを開発ための技術」の糸口になります。
難点は「その研究、どこが新しいの?」と聞かれたときに、「新しいことはなにもありません」としか答えられないこと。
が、冗談で「世の中に同じものがないので、これとして世界唯一」とかでも、「理論は新しくないけど、ものとして完成した意義がある」とかでも、「新しくないけど、役に立ちます:-)」「研究でないですよ、開発ですから」とでも、「つくれたこと」に胸を張れる開発であるべき、と考えています。
このページは、その中でも実践開発系のこれまでの開発品の紹介をします。
パイプ乗りロボット: 「玉乗りロボットを作りたい」との学生さんの希望で始まったプロジェクト。 玉乗りは3方向の回転(前後左右転倒+スピン)がかかわり、まずはパイプ乗りを目指したら、と説得してダウングレードして、完成に至った機体。 基本的には車輪駆動型倒立振子で、パイプ乗りアタッチメントを付けなければ、普通の倒立振子として機能する。 駆動系:ステッピングモータ×2(直結)、NiCd7.2V×3+ブースター 制御系:H8/3052、ADXL加速度計、ADXRS角速度計 (2004年度, 伊東) | |
荷物搬送ロボット(通称、つちやロボ): 思うところあって、車輪移動ロボットとパイプ乗りロボットの合体版を開発。天板にものを乗せてバランス制御を行い、それをおすことでものを運ぶことができる、というコンセプト。車輪が大きいため、普通の手押し台車が引っかかるような段差も楽々越えられる。 制御系は車輪移動ロボット2号機とほぼ同一(実際、OSのCFを丸コピーしたところから開発開始)、センサ系はパイプ乗りに類似。 駆動系は40W DCサーボモータを4個搭載し、2個対で拮抗駆動を行ってギアのバックラッシュを低減。車輪径が300mmと大きいため、減速比は1:30。 許容過重20kgfで設計したものの、安全率が高いため、水満タンの18リットルポリタン(22kgf)は楽勝、60kgfの人間まで乗れてしまう(わりと楽しい)。 難点は、現状では、乗せるものに併せてパラメータを設定しなければならないことと、外部からの指示無しには旋回できないこと。実用のためには、瞬時にパラメータを自分であわせ、さらに旋回のためのユーザインタフェースを作る必要がある。 (2005年度, 土屋) | |
Comming later? |
そろそろ機構的アイデアも浮かんだので玉乗りロボットに走りたいところ。 荷物搬送ロボットも完成させたいところ。 |