本研究の特徴は、脚先に「旋回曲率を操作可能な台車」を取り付け、これによって脚を無理なく任意の曲線に追従できるようにしたことです。 安定した両脚支持での連続動作を可能にし、また、曲線の設定によっては直線のみならず曲線もスムーズに曲がることができます。
脚の開閉で直進運動を行います。その際、足首ロール軸の操作によって台車の傾きを操作し、曲率を変化させて意図した曲線上を走るように調整します。
予め、脚の想定経路を円弧にそわせて算出し、それに沿うように足首の運動を生成すると円弧にそった旋回移動も可能です。
そのためには、旋回曲率を操作可能な台車(たとえば、乗用車のようなステアリング機構もその一種)が必要ですが、歩行ロボットの自由度を有効活用するために、全体を傾斜させるだけで自動的に曲率が変わるような機構を発案しました。
このような台車を足首に取り付け、足首のロール軸で傾けることで、台車の旋回を操作し、滑らかに曲線軌道に沿わせました。
台車の車輪の取り付け部はこの図のようになっています。
図中、紫色の台車本体に対して、斜めに支持軸(緑)が自由に回転するように取り付けられています。
これと直角に水色の車軸が固定されています(支持軸と車軸は十字の部品)。車輪は左右独立に回転するように車軸に取り付けられています。
台車を傾けても、車輪で支えられているため車軸は水平を保とうとします。そのためには支持軸が回転する必要があります。
その回転に伴い、車軸の方向が、台車の左右方向に対して、角度変化します。