分析によって、見つけ出さなければならないのは、
次に、周期信号を探します。これは、カメラを動かしたまま、 かたっぱしから、探っていきます。この時、1/30周期の信号を 見つけ出すのが難しい場合、もしくは 1/60にも見える信号はあるものの、 1/30かどうか微妙な場合は、2信号を組み合わせます。具体的には、 水平同期信号(15.75[kHz])と垂直同期信号(60[Hz])、もしくはそれぞれに 等価な信号です。この二つを組(例えば XOR)にすると 1/30秒周期が得られます。
カメラの基板の表(ばらしてすぐに見えるところ)の
片隅の一番大きな(とはいえ小さい)正方形のICがどうも、タイミング生成部
(というかこれ1個でほぼ全機能)の様です。
次にロジック信号は、適当にあさったところ、
それぞれの信号を観測したものを、2種類示します。
タイミング1、
タイミング2
上が信号1、下が信号2で、垂直同期信号付近を拡大表示しています。
良く見ると、2つの観測結果で、上下の信号のタイミングが、
下の信号半周期分ずれています。これが1/60秒周期で2種類の画面が
あるという部分で、これが二つセットで 1/30秒周期になります。
ここまで分かれば、次はいよいよ改造です。
まず、水晶は、ごく普通にはずします。
この手のものをはずすときは、
半田吸い取り線とかはあまり効きません。むしろ、引っ張りながら加熱、
が効果的です。だれかに引っ張って貰うのもいいと思います。
私は一人でやってます。右手は半田ごて、左手は基板です。左手は親指、
中指薬指で基板をホールド、人指し指を水晶にかけます。最初は短い方向の
左右にこじるように力をかけながら、交互に半田を溶かし、ちょっと浮いてきたら、
長手方向に力をかけながら。溶かしていない方の足をてこにする感じで。
ジャンクばらし歴10年以上で、すでに「はずす」と思ったら
無意識に体が反応してしまうので(笑)、口で説明するのは難しいのですが...。
水晶はずし前、
水晶はずし後
次に、既に見つけてあるポイントに線を接続します。
ここまでやって、テスタで調べてショートの無いことを確認して、 電源を投入してみます。当然、うつりません。そこに、19.07[MHz]の クロックを接続してみると(次節参照)、成功なら映像が映ります。また、 2本の同期信号の線にも、周期的な信号が 観察されます。
さて、ずっと
ある意味、地球に易しい方法は、取り外した水晶の再利用です。ただ、
水晶を安定して発振させる必要があり、面倒です(恥ずかしながら、私はいままで
完全に成功したことないです)。そこで、手っ取り早く信号を得るため、
水晶発振
そこで、トラ技で広告を見掛けていた
ラムステート株式会社で
購入することにしました。ここはいろいろ扱ってますが、
特注水晶を
扱っています。本物の特注水晶は、高くつき、納期もかかりますが、
PLLを使っているらしい、プログラマブル水晶発振器も扱っていて、
今回はこちらにしました。これだと、5Vを繋ぐだけで、すぐに
目的にクロックが得られます。クロックまわりの動作試験もこれで
やっていました(電源は秋月5V SW-ACアダプタ@850円)。
実際には厳密には周波数は出ず、最寄りの設定可能な周波数になるのですが、
問い合わせして、注文した手元の伝票では、"SG8002DC19.069921PHC" と
記載されています。誤差無しといってもいいと思われます。
(送料がわりと高いので(^^;; また使うだろうと思って、3個買って
ついでに チップ抵抗(@2円)もごそっと買いました。)
さて、同期化回路ですが、回路的にはこんな感じです。
((カメラ1の複合同期 xor カメラ1の水平同期) xor
(カメラ2の複合同期 xor カメラ2の水平同期))
をクロックでラッチ(D-FF)
回路(汚い上にGALなので
参考になるかどうか...)
カメラと接続
一番簡単で確実な試験は、カメラ2側から映像信号がでているか
どうかです。映像が出ていれば成功です。回路のミスでないことを
確認するには同期信号の線(4本)のどれかをはずしてください。
(映像が出ている=ちゃんとクロックがでている=同期信号が一致)
参考までに、2種の同期信号をxor(+D-FFラッチ)したものを、
示しておきます。
A
、B
やはり、垂直同期部分で、2つの微妙に異なるタイミングパターンが
観測されます。どちらでも、同期していることが確認できます。
以上で、カメラの同期化改造は成功です。
これで組み立てると、ちょっと進化します。
さらに、同期化回路も箱にいれて、コネクタを有効活用すると
外部同期のカメラに見えます。
(注:微妙な理由により、同期化回路の箱は写真がとれていません)
以上で、同期した2台のカメラをつくることができました。
Note: 今日の不幸はあしたの知恵とは?
いまをさること5年前くらい、M2のころに、書き綴った失敗のみ
集めたページ。いまは、サーバ上にあるものの、リンクは完全に
切れているため、検索にもかからない存在。あの頃は若かったんですね(笑)。
いや、コンセプトは、「失敗を2度と失敗しないように糧とする」なんですけど。
しかし、彼がまさか主役になるとは、想像してませんでした。
以下、博士と弟子の会話(笑)
博:「うむ、カメラのシステムチェックも済んだし、最終組み立てに入るとするか。」 弟:「らじゃ。」 博:「それじゃ、その小さい方のカバーを、カメラの前面板と背板の溝に注意してはめて」 弟:「は〜い」 ごそごそ、ぐいぐい、ばちん。から、ころん。 弟:「はかせ〜、はまったんですけど、なにか転がり出てきました〜。なんでしょ〜?」 博:「??? ケースを加工したときに 切削屑でものこったか?」 弟:「それにしては、リアルな形状ですが....」 博:「!!!」(青→紺色) ぱかっ。 博:「あ"っ!!!」 弟:「ど、どうしました?」 博:「こ、コイルが...電源部のコイルが」 弟:「....。」 博:「と、とりあえず、しゅ、修理... コアが砕けただけ? コアをセットして.. やっぱりうごかん。あ、断線しちょる」 弟:「つないでみますか?」 博:「むろん。」 ナ:「髪の毛より細い線の接続は困難を極めた。しかし 彼らは気合いでなしとげた」 弟:「電源、いれてみます?」 博:「祈りながら。」 スイッチオン。 博:「映らないなぁ。まだ切れてるのかなぁ。」 弟:「はかせ〜、このしゅ〜ってでてる煙みたいの、なんでしょうね?」 博:「!!! 主電源緊急遮断」 弟:「ご臨終ですか?」 博:「ご臨終じゃな」(涙)※まじで、事故ったとき、頭の中に人格が二つ出来たみたいです。 呆けて現実を理解しない人格と、冷静に分析した人格と....。
原因は、CCDカメラの基板をはずしたときの再組み立てです。今回、実は、
カメラのケースを90度回転させて取り付けられるように、前後の板に
切削加工を加えてました。そのため、水晶を取る以外に、完全にばらして
いたのですが、どうも取り付けを180度誤ったみたいです。
正 誤
この正誤は違いが分かりにくいですが、基板を取り付けた金具の
基板の左右にある、ふちの切目の位置が異なります。正しいほうはコイルから
遠く、誤り例では近くなってます。この溝はばらした方ならわかると
思いますが、ケースの側がはまるところで、ここに下側のケースがはまります。
問題は、このケースの側板についている、固定用の雌ねじです。上下2種類の
側板で太さが違うのは気になっていたのですが...。上のは細く、
コイルに当たらないのですが、下のは太く、位置的に
コイルに干渉します。ってわけで、180度逆にしたため、干渉位置に
コイルが来てしまって、知らずにはめて直撃。みなさんもお気をつけ下さい。
(上の方で「微妙な理由により」は この辺です)
で、解決策としては、撮影用に使っていたカメラ(自前)を改造することに 急遽決定。方法は確立していたので、お昼休みに30分くらいでちゃっちゃと 改造終了しました(確立してると そのくらい簡単ですが)。
まるで、カメラマン2人が主役のドラマを取っていたら、 一人が突然急死して、本物のカメラマンが急遽主役抜擢、という ような....。しかも、悪の組織に改造されちゃいます。不幸な出来事です。 そんなわけで、最後の方、カメラが1台しか映ってなかったりするのは、 同期した一方で、もう一方を取ってたりするからです....。 だって、同期回路はずしちゃうとカメラとして役に立たないんですもの。
さて、撮影用のカメラ、また、かわなきゃなぁ。秋月のWEB発注だと1日で 届くのがありがたいところ。