USB-シリアル変換器

[| ]  最終更新: 2011/02/10 20:09:25

はじめに

本ページでは開発した、USB-シリアル変換器を紹介します。

開発といっても、ほぼICのデータシート通りの回路です。

ここでは2種類を紹介します。
一つはいわば、フルクラッチで、基板を起こし、チップ部品を半田付けしてつくった変換器で、2チャンネルのシリアル回線が得られます。
もう一つは秋月電子で売られているものだけで作ったUSB-RS422変換回路です。 前者が一般向けでないのは明らかなので、SICK LMS200を「一般向け」で接続できるように作りました。


FTDI FT2232によるUSB-シリアル変換器の開発

仕 様

FTDI社製変換チップFT2232Cを用いて開発した変換器を紹介します。

本変換器の仕様は、同一の基板で部品の実装によって以下の3種類のいずれかになります。

具体的には、使用するチップであるFT2232が2チャンネルのシリアルポートを持ち、そのあとにRS232/422のドライバICをつなぎ替える点が異なります。


回路図、パターン図

USB-Serial R1.1 回路図(pdf) (2008/03/15, 55,375 bytes)
USB-Serial R1.1 基板図(pdf,2倍) (2008/03/15, 136,339 bytes)

基本的に、FT2232周りはFT2232Cのデータシート通りにした回路です。
以下、細かいところをノートしておきます。
変換器基板実装(上図と上下逆、R1.0)
変換器基板実装(上図と上下逆、R1.0)


PCへの接続(win)

予め、FTDI社WEBサイトから、Drivers→VCPドライバをダウンロードしてインストールしておきます。あとは、普通につなぐと認識されれます(回路が悪いと、不明なデバイスとか、認識失敗とかエラーがでる)。

その後、ドライバの設定を行います。

PCへの接続(linux)

今時のLinux2.6ではカーネルソースにドライバが含まれていて、何もせず、USBコネクタに接続するだけで、おしまいです。 しかも、特殊なことせずに、3Mbpsまで設定できます。詳細はLMS200接続のページにて。


カチカチ君

標準仕様
標準仕様
USB serial変換回路内蔵品
USB serial変換回路内蔵品
変換回路(RS422対応)
変換回路(RS422対応)
当研究室では、秋月電子 AKI H8/3052マイコン基板用の書込制御通信に、お手軽ツール、通称「カチカチ君」をつかっています。H8/3052のもつ2系統のシリアル通信の接続に加え、マイコンのリセット、書き込みモードの切り替えが手元まで延長できます。

USB-シリアル変換回路を作る前から、これは存在していて、もとは、右図上に示すように、PCからのケーブル、または市販のUSB-シリアル変換ケーブルを接続するためのコネクタの付いたAパーツ(左)と、マイコンにつなぐBパーツからなります。
これらは、CAT5等のイーサネットケーブルを流用して接続します。

マイコン側Bパーツは中にリレーが入っています。
カチカチBパーツ 回路図(pdf) (2008/03/15, 42,984 bytes)
CAT5のケーブルが8芯なのに対して、機能に必要な線が9本あるため、Bパーツ内部のリレーで書込のための切り替えそのものを行い、リレーのオンオフのみをAパーツまで延長しています。

Aパーツ側は、

という配線になっています。

ケースは最初からRJ45がついた、モジュラ配線ケースが近くの部品屋さんにあったので、削ったりして使っています。
※このモジュラー8芯用接続ボックスが通販できるようになりました。


もともと、USBシリアル変換回路はこのカチカチ君を簡略化するために開発しました。
最近はPCにシリアルポートがないことも多く、市販の変換ケーブル2本つなぐくらいなら直結がいいと考えたのが、もとです。
ので、基板はこの箱に収まるように設計してあります。
従来のカチカチ君AパーツからDsubを省いて、変換回路を内蔵しただけです(写真中、愛称 ZZ(ダブルゼータ))。
基板は、LEDのケースへの圧入のみで固定しています。


さらに、RS422対応のために Dsubコネクタを取り付けたものが、写真下の回路です。 SICK LMS200の通信コネクタと1対1対応のストレートケーブルでつなぐよう、Dsubコネクタを配線しています。

秋月部品によるUSB-RS422変換器

仕 様

秋月電子社製の USBシリアル変換モジュール(K-1077, AE-UM232R, 950円)と、同じく秋月社で販売されている、 RS485/422トランシーバ LTC1485(I-1869, 300円)2個といくつかの汎用部品で作った変換器を紹介します。

仕様は先の2チャンネル変換器の1チャンネルのみ版であって、

です。もちろん、RS232にすることもできるはずですが、目的が422なので、確認はしていません。

回路構成

回路図はまだ書き起こしていません。とりあえず、実体配線写真。
変換回路 変換回路 変換回路


PCへの接続

基本的に、FT2232のサブセットなので、ドライバ、使用法ともに共通です。

WindowsではFTDIのドライバを入れておけば自動認識しますし、Linuxでも、カーネルが対応していれば、そのまま"/dev/ttyUSB?"に認識されます。



熊谷正朗 [→連絡]
東北学院大学 工学部 機械知能工学科 RDE
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