このページは講義に関連して実施した、プチテスト、レポートの解答例です。
講義で解けなかったときや、あとでやりかたを忘れてしまったときなどに見てください。
なお、解答作成には万全の注意を払っていますが、間違いを見つけた場合には至急連絡をお願いします。
Q1:
下記の行列の積をもとめよ
Q2:
下記の行列の固有値を求めよ
A2:
つかう数学:計算例の一番下で解説すみ。
Q1:
の逆行列を求めよ。
Q2:
求めた逆行列ともとの行列の積が単位行列になることを確認せよ。
次に余因子行列を求める
逆行列はこれを転置して、かつ、行列式で割って得られるので、
となる。
※解答の中で、上式の中間で止まっている例が大半を占めましたが、常識の範囲で負号を全部相殺すべきです。そうでなくとも、負号を行列の中にいれること。
A2:
ちゃんと計算みること。"=I"と書くだけなら簡単ですが、なんのチェックにもなりません。
Q:
の固有値と対応する固有ベクトルを求めよ。
次に、個々の固有値に対応する固有ベクトルを求める。
s1=0:
よって、
となる。(1)および(2)より、v2=v3, v1=v3 という関係が得られるため、たとえば、v3=1とおくと、s1=0に対応する固有ベクトル、
を得ることができる。((3)式は(1),(2)の組で表される)
なお、
であり、固有値、固有ベクトルの関係式
を満たすことが確認される。
※v1=v2=v3=0とすると、そもそもの固有ベクトルの定義に反する。
s2=1:
ここで、(5)式を2倍し、そこから(4)式を引くと、v1=0が決定する。
あとは、残りの式はすべて v2=v3となるので、v2=1とすると、
を得ることができる。Av=svの関係は各自確認すること。
※固有ベクトルはすべての要素が0になるものが不可であって、一つの要素が0といった場合は問題ありません。。
s2=2:
ここで、(8)式から、(7)を(1/2)したものを引くと、v2=0が決定する。
あとは、残りの式はすべて v1=v3となるので、v1=1とすると、
を得ることができる。
なお、
であり、固有値、固有ベクトルの関係式
を満たすことが確認される。
モータを制御対象として、状態方程式を立て、可制御性、可観測性についてしらべます。
→詳細(PDF)
注意:講義で配布した専用用紙のみ使用可能とする。それ以外の用紙は受け付けない。 欠席したものは講義、もしくは直接配布をうけること。
A(1):
まず、数式で状態変数の置き換えをします。
提示された式は、
です。
状態変数はと置きますが、2本目の式のθの微分は、x2の微分ともx3ともおけます。
状態方程式では、個々の式で状態変数の微分は左辺の1個のみに制限されていることから、ここではx3と置きます。
ここで、状態変数x2に対する状態方程式はありません。これは、状態方程式の講義で最初にもあった例ですが、
という式を立て、
と直します。以上を状態方程式の形式にすると、
となります。
一方、角度を観測する出力方程式は
となります。
A(2):
可制御性を確認するには、(B|AB|AAB)の行列をまず求めます。
より、
となります。一般的に、各定数は正の定数なので、0にはなりません。このままでも明らかですが、2行目、3行目を入れ替えると、3段のそれいじょうつぶせない階段ができますので、rank=3、よって、可制御です。
ちなみに、モータを電圧で操作することは、実際に良く行います。
A(3):
可観測性を確認するには、(C/CA/CAA)の行列を求めます。
です。よって、
となり、これも行を並べ替えるとrank=3、よって可観測です。
モータの制御という観点からすると、角度、角速度さえきっちり出せれば、実際には電流は直接的には関係ないように思われますが、モータや電子回路にとって電流はわりと要注意です。あまり強い電流を流すと、そこそこの時間で煙がでてくるのは予想の範囲として、一瞬でも最悪の場合はモータの磁石がダメになることがあります。
一方、可観測ではあるのですが、実際問題として、角度の計測値から角速度を得るのは容易でも、電流まで得ようとすると精度が劣化する可能性が考えられます。このような観点から、モータの性能をフルに発揮させたい場合は、電流のセンサも入れます。電流のセンサ、一番簡単なのは、直列に小さな抵抗をいれることです。
Q:
対象を問わず(機械、電子装置、プラント等)世の中のシステムの制御手法について1件調べ、そのシステムの概要(概略、主な特性など)と実際に使用されている制御手法について、まとめてください。
提出日:2005年1月11日
注意:講義で配布した専用用紙のみ使用可能とする。それ以外の用紙は受け付けない。
欠席したものは講義、もしくは直接配布をうけること。