センサの基礎

最終更新: 2011/02/10 19:14:48 [| ]  最終更新: 2011/02/10 19:14:48

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機械に絡んで電子回路を扱うのは大きく二つです。

最近は後者についてはモータメーカが専用回路をつくって販売していたりすることもあって、むりにつくらなくとも、モータなどを動かすことは簡単になりました(もちろん、作らなければならないこともありますが)。 一方、前者については、触ったかどうかなどの単純で一般的な物については、いろいろ市販されていますが、研究に必要なものとなると、案外特殊で、自分でなんとかしなければならないことがあります。 そういうとき、まずは状態を何らかの電気信号に変換するための「センサ」を見つけてきて(さすがにセンサから作るのは大変です)、後ろにつなぐべきもの、たとえばコンピュータ(にアナログ電圧を取得できる拡張ボードをさしたもの)で受け取れるように変換するための電子回路を作らなければなりません。
このあと、アナログ信号を扱うための回路、ディジタル信号を扱うための回路などを順次講義しますが、その前に、そもそも、どんなセンサがあるか、どんな信号が出てくるかを知っておき、なぜそういう回路が必要なのかを認識するための基礎としましょう。

センサの傾向と対策

センサとは、物理的な、科学的な、その他もろもろの状態をsenseするためのもの、sensorです。 ものすごくいろんな種類がありますが、いくつかに分類することができます。

普段、機械屋が必要とする物理現象については、だいたいそれを測定するためのセンサはそろっています。

これらのセンサが出力する電気的な特性は以下のようなもので、概ね、同時に示すような方法で処理されます。

です。つまり、これらの方法を知っておけば、あとは、センサを買ってきてなんとかすればいい、ということになります(あくまで、原理的には。そう簡単には行かないこと多し)。

また、センサは、ほとんど「感応する物質」や原理そのものの物体だったりと非常に単純なものから、複数のセンサや高度な電子回路を内蔵したものまでいろいろあります。


一般的なセンサ一覧表

測定対象出力の形態
電圧変化電流変化抵抗変化容量変化パルスその他
回転角度(複)角度センサポテンショメータロータリーエンコーダロータリースイッチ(電極切替)
回転角速度圧電レートジャイロ
直線変位(複)変位センサリニアポテンショメータリニアエンコーダスイッチ(接触OnOffのみ)
存在(複)フォトリフレクタ、(複)フォトインタラプタ、(複)近接センサ(金属探知)スイッチ(接触OnOffのみ)
ひずみ、力(複)力センサひずみゲージ
速度(複)速度計
加速度(複)加速度計、(複)傾斜計加速度計(IC)
圧力圧力センサ(圧電素子)導電ゴム、スポンジなど気圧センサ
流量、流速(複)流量計(羽/プロペラ+角度、オリフィス+圧力)、電磁流量計熱線抵抗式流速センサ
音、超音波マイク(複、マグネティック、圧電素子)昔の電話(炭素粉)コンデンサマイク
衝撃圧電素子(厳密には電荷)
光、色(光+カラーフィルタ)フォトダイオード、フォトトランジスタ、CCD撮像素子(の中身)、PSD、焦電センサCdSセル光電子増倍管(光子)(複)ビデオカメラ、(複)デジカメ
温度熱電対焦電センサ(遠赤外線)普通の抵抗、サーミスタ、半導体(複)サーモグラフィ
湿度、水分湿度計
磁気コイル(交流磁界のみ)、ホール素子、(複)地磁気センサMR素子
測定対象電圧変化電流変化抵抗変化容量変化パルスその他
出力の形態

「(複)」はセンサそのもの+電子回路など、複合的なもの

参考:出す方: