平成16年度の卒業研究をロボット開発工学 熊谷研究室で行ってみたいという機械工学科の学生さんを募集します。
熊谷研の基本情報
- 東北学院大学工学部機械創成工学科
- 計測・制御部門(矢口研、K研とセット)
- 指導教員:熊谷正朗(くまがいまさあき)、いままだ1年目、29才。
→詳細
- 募集人数は基本的に6名
(もしも応募多数という事態になった場合には7名に増やす可能性が少しだけあります)
- 研究ジャンル:ロボット開発(移動ロボットなど)、ロボット開発技術の開拓(制御システム、制御ハードウエア、制御ソフトウエア、センシング技術)
- 研究室の特徴:当たり前のように機械部品と電子部品とプログラムがころがっている研究室で、配属当初は機械としては違和感を感じるかも知れませんが、そのうち慣れます。
- 場所:2号館2階 2204室(ロボット工学実験室)
1号館に一番近い階段を上がって、北。もしくは鶴本研前の入り口を入ってすぐの階段を上がってすぐ。遠藤研の隣。流体の実験室の向い。
大学祭で一番たどり着きにくい研究室に認定されたので、探してください。
16年度に予定している研究テーマ
以下のようなテーマを予定しています。
- 移動ロボット開発(車輪)
移動ロボットのなかでもオーソドックスな車輪移動型のロボットを開発します。現在の卒研生が開発しているロボットを参考に、2号館2階の廊下を自由に行き来できるロボットの開発を目指します。
分野としては、機械設計、加工、電子回路製作、制御プログラム作成など。
- 移動ロボット開発(2脚歩行)
2本の脚(足)で歩行する小型ロボットの開発、改良、運用を行います。
現在、卒業研究の一貫として全12関節の足だけのロボットが組み立てられていますが、これを動かしてみて不満点を洗い出して改良を進めます。
担当者のやる気によっては上半身も追加して人型ロボットにパワーアップさせます。
- 環境センシング(画像処理)
ロボットが移動するには環境の情報が必須です。
人間が事前にすべて与える場合もありますが、手間がかかるのでロボットが自動的に収集できることが望ましいといえます。
カメラによる映像、画像を処理して環境情報を取り出すことが近年は多くなってきましたが、まだまだ十分な研究が進んでいるとは言えませんし、使い勝手もあまりよくありません。
そこで、ロボットに使える画像処理システムの開発を行います。将来的にはロボットに取りつけますが、現段階ではまだロボットと切り放して研究を行います。
分野としては、数値解析、プログラム開発が主で、数式もいじります。原画像の採取時以外はデスクワークがメインとなります。
- モーションキャプチャシステム
ロボットやコンピュータと人間が向き合うためには、こちらの情報も機械に伝えなければなりません。
その簡易的な手段がキーボードであり、マウスですが、これらではリアルタイムに3次元情報を扱うことはできず、別の手段が必要とされています。
人間の動きをリアルタイムに取得する装置はモーションキャプチャとよばれ、CG制作やゲーム制作、医療分野や歩行ロボット研究などに利用されています。
そのなかの一方式の研究を行っています。オープンキャンパスや学祭でも展示していましたが、人間が中に入って頭の位置や手の位置を瞬時に計測できます。
このシステムの改良も研究テーマの一つです。
分野としては、電子回路、数値解析、プログラム開発が主で、ベクトル、行列が必須で、初歩的な電磁気学もつかいます。
- 簡易バーチャルリアリティ
上のモーションキャプチャと対になる研究です。
モーションキャプチャで得た人間の動作をコンピュータグラフィクスなどに反映させることでバーチャルリアリティとすることができます。
そのほか、モーションキャプチャの使い道を考え、試してみることが研究です。
分野としては、プログラム開発、CG作成などが主となります。また、その背景には対象の数学モデルも必要になるため、数式もそれなりに必要です。
- そのほかロボット系研究
半年もすればやろうと思う研究は多少は変わり得ます。
また、学生さんからの提案も受けます。こういう研究が是非してみたいという希望があれば、夢ではなく現実を見据えた計画をもって相談しに来てください。
以上のようなテーマを実施予定です。
希望や状況によっては実施されないこともあるかもしれませんし、細分化するかもしれません。
基本的には、分野をオーバーラップさせつつ、一人一人に研究テーマを持ってもらいたいと考えています。
人材募集
募集枠を越えたら、応募してくれるすべての学生さんの動機などを聞いたうえで選考を行いますが、以下のような学生さん(順不同)を歓迎します。
- 機械工作系経験者
小さいときから工作好き、夏休みの理科の宿題は基本的に工作、ミニ四駆動やラジコンのチューンで腕を鳴らした、工業高校で実際にメカを作っていました、板金加工ややすりがけはまかせてください、日曜大工が得意、機械は捨てる前に分解してみる、職人と呼ばれると快感、
といったことに一つでも心当たりのある学生さん。
応募時にはこれまでの作品例(実物は不要)などを自慢してください。
→ 配属後の方向:他と協力、意見交換して主にロボットの本体を開発(含む更なる修行)
- 電子工作経験者
はんだごてでのやけどが10回は越える、学校の授業の一貫でやるもの以外にキットや部品を買って工作したことがある、工業高校で電子回路の実習は得意でした、仙台に限らず電子部品屋の場所をしっている、抵抗のカラーコード10色を覚えている、配線はきれいな方だ、家電製品を分解して出てきたジャンクな基板が捨てられない、マイはんだごてとマイテスターをもっている
といったことに一つでも心当たりのある学生さん。
応募時にはこれまでの経歴などを自慢してください。
→ 配属後の方向:他と協力、意見交換して主にロボットやセンサの電装系を開発(含む更なる修行)
- プログラミング経験者
パソコンはゲーム機でもなければワープロ専用でもなくってプログラムでいろいろさせる機械だ!、H8マイコンを知っている、PICといったらマイコンか割り込みコントローラが思い浮かぶ、大学のC言語の授業は楽すぎた、アセンブリ言語はつかわないんですか?、表計算ソフトは数値をいれてグラフを書くためのソフトじゃなくて計算させるためのソフトだしシミュレーションもできるぞ、パズルは得意だ、数式があればその計算をするプログラムは作れる、
といったことに一つ(できれば二つ以上)でも心当たりのある学生さん。
応募時にはこれまでの経歴などを自慢してください。
→ 配属後の方向:他と協力、意見交換して主にロボットの制御ソフトウエア開発(含む更なる修行)
- 数学・物理 理論屋
上の3種のような経験は全くorほとんどないけど、数学とか力学、電磁気、制御工学なんかの科目は特に嫌いじゃないし、むしろ得意かもしれない。そういうところをロボット開発に活かしてみたいし、せっかくだから、机上の理論を実体化する技術を身につけてみたい
という学生さん。
応募時にはどのあたりの科目が得意科目かを教えてください。
→ 配属後の方向:他と協力、意見交換して、主に理論解析や設計の妥当性検証などにかかわってほしいが、技術の身に付け方でいかようにでも。
- なにか特技持ち
ロボット工学に活かせそうな特技をもっています。原理はよくわからないけど画像処理とかCG作成が得意とか、カメラはビデオもスチルもまかせてとか、美的センスに優れるとか、ネットで調べものをするのが得意とか、身体的に強いとか、英語が得意とか、製図が得意とか、暗算が早いとか、部屋のなかで他の人には見えない線(たとえば壁から法線ベクトルが生えて見える)が見えるとか、
であって、ロボット関係をやってみたいという学生さん。
応募時には特技をアピールしてください。
→ 配属後の方向:まずはロボット関係の知識を身につけてもらうことからですが、特技を他の研究に活かしたり、特技を有効に活用できる研究を立案したりしましょう。
- ロボットアニメ好き
大学の勉強は良くはなくとも中以上(重要)で、ロボットアニメで育った人で、ロボットにあこがれて工学部に来てしまった。人に何と言われようと、ガンダムやパトレイバーやマクロスは今でも見るし、タカラ&サンライズの勇者ロボシリーズも小さいときに見ていたし、スーパーロボット大戦もやる。空想と現実が違うことは大学の勉強で理解したけど、夢見た方向を少しでも目指したいし、やってみたいことがある、
という学生さん。
応募時にはただのアニメおたくではなく、それを原動力に?大学でがんばってきたことをアピールしてください。
- とにかくロボット関係をやってみたい
上のような特殊な?ことはないけれど、せっかく大学の機械の学科に来て、ロボットをやってるっぽいから、これからの将来性を考えて、また趣味にでもロボットの知識を身につけてみたいという熱意をもっている学生さん。
どのくらいやりたいかを教えてください。
研究テーマは興味を持った物をやってみましょう。
以上に心当たりのある学生さんを待っています。
応募多数の場合は、単純に成績でわけたりせず、技術面もみて分野の割合をバランス良く選考したいと考えています。関連しそうな科目が大嫌いという場合にはまずいですが、一度くらい単位を落したり、苦手だったりする程度はかまいません。また、プログラミングも含めて基本的に工作がメインなので、ものづくりが嫌いな学生さんには向きません。
あと、大学院への進学を検討している方も歓迎します。
その場合は、開発成果を取りまとめて、18年度を目標にロボットコンテストへの参加のプロジェクトリーダーになってもらいたいと思います。
なお、指導教員の性格上以下の注意点をご了解下さい。
- お酒は強くないので、お酒に弱くても大丈夫&無理に進める人には気分を害します。また、教員側から積極的に宴会の開催を申し込みませんので、コンパをしたい場合は学生さんの側から提案する必要があります。
- たばこは吸わないと言うよりむしろ嫌煙派なので、指定場所以外で喫煙したり、ポイ捨てしたり、灰をそのへんにちらすと人間関係が悪化することがあります。
- 基本的にロボットアニメ好きなので、アニメが嫌いな方には苦痛かも知れません。
- まじめな?学生生活を送ってきたので、講義をさぼったりすることは好きじゃありません。カンニングなんて言語道断。
- まだ赴任して間がないので、研究室の設備面ではあまり立派ではなく、参考となる過去の遺産もそろっていません。
また、そもそも教員経験はあまりないので、その辺が多少問題になるかもしれません。
そのかわり、研究者としては技術経験だけは自負しています。&若さは負けません(まだ20代)。
まずは多くの学生さんに関心をもっていただきありがとうございます。
それと同時に、どのようにして選考を行うかについて頭を痛めています。
そもそも、人を選ぶことに関してまったく経験がありません。
そこで、上の募集案内にしたがって、以下のような選考基準を考えています。
- 基本的に、3G主任に提出されている調査票への記入内容、それに加えてこちらで用意する調査票(8号館8114教員室前で配布/以下でDownload配布)への記入内容をもとに、面接します。
- 調査票で想定される項目:
主: 希望テーマ、動機、やる気度数、アピール点、それを示す説明など
副: 進路希望と活動状況、授業生活態度(出席具合い、夜更かし度など)、善悪価値観など
- 面接は、こちらで指定した枠から都合の良い時間帯をあらかじめ予約(教員室前の予約表に記入)の上で来室してください。
- 上の「こういう学生さん歓迎」一覧がなるべく埋まるように。もちろん、一人二役がありえるので、それで6項目あるから一人ずつというわけではありません。
- 研究希望テーマがなるべく重ならないようにします。
もちろん、それを卒研で強制するつもりはありませんが、現時点での希望があまり片寄ってもこまるという判断です。
- 調査票や面接で選考していって、最後の方であと一人が選考しきれなくなった場合は、自分よりも偶然を信じて抽選の可能性があります。
- 手元の暫定資料によりますと、過年度の学生さんが多数応募しているようです
(今年受け持った4年生の講義を受けて応募してくれたのでしょうか)。
運も含めてさまざまな要因があるでしょうから、進級できなかったこと自体にはマイナス評価をつけません。
しかし、そのことで余分に学ぶ時間、機会を得たことを有効に活用していたかは確認したいとおもいます。
たとえば、4年生の授業を先行してとったため研究室配属後は最初から専門知識を活用して研究に専念できる、雑誌会は楽勝、特別な資格をとったなど。
2、3の単位をとるための勉強の他は遊んでいました、というケースは評価無しです。
なお、最初から線引きをした枠はつくりませんが、学科全体の平均的割合から大きくずれることはないと思います。
ダウンロード:
一太郎9ファイル (2003/12/05, 17,408 bytes)(直接記入するときに行数などが変わらないように注意)
PDFファイル (2003/12/05, 15,937 bytes)
アドバイス:
- いくら、私がアニメ好きぽくっとも、あまりにもアニメネタで攻めると逆効果です。
アニメ研究会を作るつもりはありません(笑)
- こういう配属などでは、仲のよい友だち同士でいっしょに同じところに応募することが非常に多く見られます。
それによって、意志の疎通がスムーズになるという良い面もありますが、その小さな輪で固まってしまって、より大きなつながりができにくくなるという弊害、仲の良い友だち同士がライバルになってしまうという弊害が起きます。
いきなりそういう判断を求められてもこまるかもしれませんが、今あるつながりを活かすには、それぞれ多少異なる方向に進んで、それでいて専門を越えたつながりに昇華させることも一案として進めます。
- ここで配属漏れしたとしても、研究上の関心や個人的関心などで研究室に遊びにきてもらうことはかまいません。