プチテスト・レポート2009(メカトロI)

[| ]  最終更新: 2011/02/10 19:16:04

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このページはプチテストやレポートの問題、解答、解説を掲載するページです。 プチテストのときにわからなかったことは、必ずなんとかするようにしましょう。

プチテスト

09/05/11 抵抗、電圧、分圧

プチ図081024 Q:右の図において、抵抗R1=200, R2=100[Ω]のとし、R3を以下の抵抗値としたときに、抵抗R2,R3の両端に発生する電圧を求めよ。
・R3=∞
・R3=100[Ω]
・R3=99900[Ω]

A:
○ R3=∞の場合:
無限大というのは、接続していないのと同じなので、この場合はR1,R2による分圧回路になります。 分圧比率は200:100なので、分圧の計算より
E=\frac{R_2}{R_1+R_2}\cdot3=3\frac{100}{200+100}=1.0
よって、1.0[V]となります。
なお、回路を流れる電流から求める場合、電流は 3/(200+100)=0.010[A]、よってE=0.010*100=1.0[V]となります。
マークは 0-1-0-0-0。

○ R3=100[Ω]の場合:
まず、R2とR3の並列合成抵抗R23を求めます。
R_{23}=\frac{R_2R_3}{R_2+R_3}=\frac{100\cdot100}{100+100}=\frac{10000}{200}=50 or \frac{1}{R_{23}}=\frac{1}{R_2}+\frac{1}{R_3}=\frac{1}{100}+\frac{1}{100}=\frac{2}{100}=\frac{1}{50}
よって、R2,R3の合成抵抗は50[Ω]です。
この50[Ω]とR1=200[Ω]の分圧回路になります。
E=\frac{R_{23}}{R_1+R_{23}}\cdot3=3\frac{50}{200+50}=0.6
よって、0.6[V]となります。
マークは 0-0-6-0-0。

○ R3=99900[Ω]の場合:
まず、R2とR3の並列合成抵抗R23を求めます。
R_{23}=\frac{R_2R_3}{R_2+R_3}=\frac{100\cdot99900}{100+99900}=\frac{9990000}{100000}=99.9
よって、R2,R3の合成抵抗は99.9[Ω]です。
この99.9[Ω]とR1=200[Ω]の分圧回路になります。
E=\frac{R_{23}}{R_1+R_{23}}\cdot3=3\frac{99.9}{200+99.9}=0.99933
よって、0.9993[V]となります。
マークは 0-0-9-9-9。

解説:
単純な計算ですが、R3の値の変化で電圧が変ることが確認できます。
講義のとき、「分圧」で、「後ろに電流が流れていかないような場合、後ろの抵抗値が十分大きい場合」に、適当な比率の電圧をつくることができると話しました。R3=∞は本当になにも無い理想状態で、200:100なので、1/3の1.0[V]になります。 しかし、後ろに、100[Ω]という、分圧回路を作るための抵抗に匹敵するようなものがぶら下がると、電圧が0.6[V]まで下がります。後ろの回路が純粋な抵抗なら、あらかじめ調整することもできますが、一般にはそう簡単ではありません。 で、ぶら下がる抵抗が 99900[Ω]、約千倍のときは、0.9993[V]と、誤差が1/1000[V]程度に収まります。どのくらいの精度が必要かにもよりますが、一般に、電子回路の精度で0.1%というのは、かなり高い部類で、まあ、100倍もあれば、それほど困らない1%精度くらいにはなります。 さて、では、2番目のケースのように100[Ω]をつなぎたい場合、R1=2, R2=1[Ω]にすればいいのでしょうか?
その場合、R1,R2に流れる電流は1[A]ほどになります。常識的に考えたら、これはかなり無駄な電力です(熱になるだけ)。 そういうときにはまじめに回路をつくることになります(実質的に、出力1.0[V]の電源回路をつくることになる)。

09/06/15 オフセットつき増幅

Q:出力電圧Voが、入力電圧Viによって
V_o=10\times(2-V_i)
と得られるような回路を設計せよ。その際、2[V]等の直流電源を使用してよい。

差動増幅回路 A:ヒントでしつこく「引いて増幅」と言っていたように、引く&増幅の回路を選択します。
ずばり、「差動増幅」回路を使うことができます。
右図において、R1=R3, R2=R4とすれば、
V_o=\frac{R_2}{R_1}(V_2-V_1)
です。なので、R2(R4)/R1(R2)=10 にし、V2=2[V]とします。すると、
V_o=10(3-V_1)
となるので、V_1をV_iとすればOKです。現実的には、R1=10[kΩ], R2=100[kΩ]程度に選定します。

ただし、要件として、回路図として完成させること、端子や「V1, V2」を残しておかないこと(あくまで入力をViとすること)を求めており、それに反した場合は減点、また、抵抗値としてR2の抵抗値が10kを大幅に下回る場合は減点しています。

A2:別解1
加減算回路をつかうこともできます。が、オペアンプも2個になり、回路も面倒になるので、よい設計、ではなくなります。

反転増幅回路 A3:別解2
ただの反転増幅回路を使う方法もあります。
右図、反転増幅回路で、Vin+をGNDではなく、適当な電圧Vrにつなぐとします。
その際、仮想短絡により、
\frac{R_fV_i+R_iV_o}{R_f+R_i}=V_r
となります。これを解くと
V_o=-\frac{R_f}{R_i}V_i+\frac{R_f+R_i}{R_i}V_r
となり、10倍にするには、Rf=10Riとします。
V_o=-10V_i+11V_r=10(1.1V_r-V_i)
1.1Vr=2.0[V]になるような電源を用意すれば、目的の増幅ができます。
この方法は、
1:抵抗2本でできる
2:Vrはオペアンプ(-)端子のみにつながっている=電流は流れない(c.f.↑Aではただの差動増幅で電流が流れる)ので、可変抵抗で分圧した電圧でよい=簡単に調整可能な電圧
という特徴があり、案外、調整が前提なセンサ信号の処理とかで便利です。 ただ、あとで何の回路かわかりにくくなるので、試作回路向きではありません。
よくみると、差動増幅回路のプラス側を固定したもの、とも見えます。

A4:別解3
プチテストの解答の中にあった「理論上は可能な」方法です。
V_o=10\times(2-V_i)=-10\times(V_i-2)
なので、「Viから2V引いて」「-10倍の反転増幅」することにして、
  Vi--[-2V]--反転増幅(10倍)
と、-2Vの直流電圧源を直列に接続してしまいます。
回路図の上では可能ですが、この[2V]は増幅回路や入力される信号とはまったく独立して2Vを保つ必要があります。
たとえば、電池はそのような性質をもっていますが、ジャスト2Vの電池はありませんし、適当な電池を抵抗で分圧して使うわけにもいかず、実現は面倒です。
(この目的ではありませんが、絶縁型電源回路、なるものをもちいて、電圧の下駄を履かせる、という手法自体は、実用的に存在しています。)

090718 真理値表を求める

プチテスト071212
プチテスト071212
Q:右図の回路の真理値を求めよ。

A:
入力のすべてのパターンに対して、Xがどうなるかを確認していくだけの問題です。 途中の配線にも適当な記号を付け、それらを入力から順に落ちついて追っていけば簡単に求まります。
ちなみに、これはNORをド・モルガンすると、NANDになることを示しています。


レポート

レポートは遅れてでも出すべき。 過去に本科目を落ちた学生さんの多くはレポートさえ出していれば、という状況だったりします。

5/18 センサ → 締切 6/1

課題:

注意:講義で配布した専用用紙のみ使用可能とする。それ以外の用紙は受け付けない。


6/29 オペアンプ回路 → 締切 7/13

課題:
オペアンプを使った実用回路を雑誌、書籍、ネット等でひとつ探し、その回路図、機能を記載するとともに、これまでの講義をもとに、「可能な限り」解説してください。
※実用回路=反転増幅などの要素ではなく、○○を検出する回路、など意味のある回路。
※どんな回路でもかまいませんが、自分でわかりそうな範囲&この紙両面で収まるくらい。
※コピー貼り付け不可、印刷は可
注意:講義で配布した専用用紙のみ使用可能とする。それ以外の用紙は受け付けない。




熊谷正朗 [→連絡]
東北学院大学 工学部 機械知能工学科 RDE
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