Universal IFの設計

最終更新: 2011/02/10 20:19:24 [| ]  最終更新: 2011/02/10 20:19:24

Universal IFの基本設計

設計思想

本ボードシリーズの設計思想を以下に列挙します。

共通設計

Block diagram of UnivIF 本ボードシリーズの設計を以下に列挙します。また、右図にその構造を示します。

以上の基本設計に基づき、Universal Interface Board は大きく分けて3バージョンが開発されています。

Universal IF Version 1

解 説

Universal Interface Ver1 初期モデルであり、江村研の4脚歩行ロボットのインターフェイスなどに使用されています。 基板はMITS社製基板加工機で両面ガラエポ基板を加工して作っていました。 基板パターンも含めて独自設計で、このとき基本的な仕様が定まっています。

使用デバイスはAltera社 FLEX 6Kシリーズより、6016(208pin) 6024(208pin)を使用しています。 6016には5Vと3.3V品が、6024は3.3V用デバイスがありますが、それらを使用するために、 1:5V専用基板 2:PCIバスから3.3Vを供給可能とした基板 3:自前の3.3V三端子レギュレータ(uPC2933)によって3.3Vを生成する基板 といくつかのマイナーバージョンが順に開発されました。 ちなみに、この電源供給は以降のバージョンで基板上のジャンパ結線で選択可能になっています。

設計データ公開

このころは基板設計データが詳細回路図をかねていて、しかも、回路図は手書きの適当なメモしかなかったというチャレンジャーな設計をしてたので、回路図の正式なものは残っていません。 設計パターンはMITSの古いソフト用で、発掘もしていないので公開していません。


Universal IF Version 2

解 説

Universal Interface Ver2 Version 1 で有効性を検証できたため、基本的な設計を変更することなく、基板を外注用に設計し直し、開発したモデルです。そのため、Version 1の上位互換になっています。
基板を外注したことで、基板そのものを作る手間、表と裏をつなぐ手間、検査の手間がなくなり、1枚つくる時間が劇的に短くなりました。Ver1ではほぼ2日要したものが、3時間程度になりました。
基板設計時のパターン引き回しの制約が大幅に緩和されたため、基板も規定サイズに収まり、さらに余裕が若干あったため、2種3個の内部拡張コネクタを装備しました。 これによって、高速RAMの増設や基板のクラスタ接続が可能となりました。 また、より高速なクロックを供給可能となったため、パイプラインを併用し、単位時間あたりの処理量の増加、タイミング信号の精度向上が可能となりました。

使用デバイスはそのままで FLEX6K-PQFP208, 6016, 6016A, 6024A に対応しています。 また電源もレギュレータを搭載し、PLDの電源端子を5V, PCI3.3V, 内部3.3Vと切り替えられるようにしました。

設計データ公開

回路および基板設計は OrCADを用いて行いました。



Universal IF Version 3

解 説

Universal Interface Ver3 Version 2 を使って様々な処理を行ううち、RAM(EAB)があれば便利なのに、と思うことが出てきたため、FLEX10Kを搭載するモデルの検討を開始しました。
Version 3 は、回路図上は単純にVer2のFLEX6KのパターンをFLEX10K用に修正したのみです(ボードの違いを自動認識するための若干の変更あり)。 ただし、Version 2を作ってみて発覚したGNDおよび電源ラインのパターンの貧弱さを解消するため、電源系は大幅に変更を加えました(Ver2では裏面に一カ所電線で増強個所あり)。 表から見えるところも幅が太くなっていますが、裏面はVer2でスカスカだったものをほとんどベタに変更しました。本来は4層で設計すればいいのですが...。 この改良により、組み立てればすぐ動くレベルまで改善されました。

使用デバイスは FLEX10KA-PQFP208, 10K30Aです。10K40まで載せられるはずです。 10K30Aと6024Aの機能的相違点ですが、動作速度はあまり変わらず、外部端子数もあまりかわらず(配置は10K30のほうが親切)、回路規模を示すLE数もほぼ同じで、10K30AはメモリブロックEABが12Kbit搭載されています。

設計データ公開

回路および基板設計は OrCADを用いて行いました。



Universal IF Version 4

つい最近のDESIGNWAVE誌(の某有名な号)をみたら、次が欲しくなりました(笑)。 Cycloneシリーズ、非常に魅力的です。 手持ちのPLDと基板(V2,V3とも7枚分くらい)が減ってきたら、次はCycloneのEP1C6, EP1C12対応で、新しく設計したいところです。CADが使えるようになったら、ですが。


Universal IF for AKI-H8/3052

解 説

UnivIF-H8 UnivIF-H8
UnivIF-H8 with AKI-H8/3052 UnivIF-H8 with AKI-H8/3052
Version 2 をつくってから Version 3を作るまでの1年間のブランクのリハビリをすべく、設計してみたのが、秋月電子のAKI-H8/3052用のUnivIFです。設計したついでに、 OLIMEXにチャレンジして基板をつくってもらいました。 一応、UnivIFシリーズに入れてありますが、まさにPLDをつけただけ、なので、微妙に共通性がありません。 ただ、オンラインで中身を書き換えるというUniversalさは維持していて、シリアルポート経由で、3秒程度で書き換えるサポートソフトウエアは開発してあったりします。

この基板はいくつか特徴があります。

この設計思想のため、リハビリ気分で、OLIMEXに頼むにしては、過激な設計になっています。 特に、写真やガーバからもわかりますが、H8が乗るコネクタのピン間に2本の配線が通っています。これがかなり無謀です。 100milの普通のランド間に2本ならまだ良かったのですが、このコネクタはピンが太いため、穴もでかく、非常にぎりぎりです。 その結果、納品された基板の何枚かはパターンブリッジを起こしていました(汗。
ちなみに、OLIMEXの設計のお約束では、(a)パターンおよび間隔は8mil以上(10milだとなおよい:早い)、(b)パターンのリングは幅8mil以上、となっています。穴は0.9mm(35mil)は必要なので、ピン間に2本というのは、(35/2+8)+8Space+8Line+8S+8L+8S+(8+35/2)=91 で、100milに通すにはかなり危険です。 実際には、パッドを1.4mm=55milにして、中を8milで通しました。ランドとパターンのクリアランスが約10mil=0.25mmくらいです。 レジストしてあってもヒヤヒヤな作りです。 さらに、このスタックスルーなコネクタのはんだ付けがめんどうなのですが...。

いまのところ、実用にしたことはないのですが、ラジコンサーボやエンコーダをたくさんつないだりするには便利なはずです。PLDが直結なので、外にバッファでもつながないと壊れそうですが、ピン単位でこわれるなら、まだ交換もできるな、とか思ってます。 コネクタCN5,6を横向きにだすと、いくらでも積めそうですが、内部設定のための端子に工夫をしなかたので、残念ながら1段だけです。 設計変更するときは、そこがまず改良すべき点です。これを山積みにして、クラスタ接続して、大規模処理、とか楽しそうですし。

設計データ公開

回路および基板設計は OrCADを用いて行いました。





その他情報



熊谷正朗 [→連絡]
東北学院大学 工学部 機械知能工学科 RDE
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